ロボットって何だ?
1. ロボットとは?
「ヒトの代わりに自立(自律)的に作業を行う装置。またはヒトのような動作を行う装置」。
★機械型
デザインは機能を優先し、ロボットアーム等、目的に対し効率的な動作を行うことができるロボット。
・産業用ロボット
・調理用ロボット
・海洋調査用ロボット
・宇宙探査用ロボット 等
★ヒューマノイド型
人間をデザインの基本としたロボット。
世間一般ではロボットのイメージされることが多い。
・二足歩行ロボット
・ホビーロボット 等
2. ロボットの目的
ロボットの特徴は、常に一定の行動力、再現性と正確性を有することである。
人間の身体的能力を補い、代替し、人間の作業をサポートすることに極めて適している。
★労働力の安定化
人間が労働を行う場合、休憩時間や病欠は不可避であり、安定的な人員確保は容易ではない。
ロボットの場合、24時間連続稼働も可能であり、故障した際も部品交換等の対応で迅速に復旧が可能。
★品質の安定化
工場などの現場において技術者の質や量は個々のスキルによって生産数や品質が左右される。
特殊な技術に特化したロボットの導入により、安定した品質をより効率的に生産、維持が可能となる。
★人件費の抑制
作業者の時間単価は確定しており、効率化にも限界がある。ロボットの場合、導入の初期投資は発生するが、長時間の稼働が可能で、結果的に時間あたりの単価は人間よりも低下する。
☆危険な環境での作業
★精密なデータ取得
ロボットはプログラムされたことを忠実に再現するため、経常的に同一条件で客観的なデータを取得できる。また、自律プログラムを設定することで複数の相違する条件で同時に調査すること、異なった環境で自律的な状況判断をから調査することも可能である。
★実験体存在
人間を含む生物や特定の物体の動作を再現させるなどして、対象となる物体や様々な環境下でのシミュレーションが可能となる。
従来では対象物体の実物でしか実験が困難となり限定的なデータの取得に留まっていた事象も、様々な条件下での実験や研究が可能となる。
3. ロボットの種類
一概にロボットといっても、形だけでなく、その使用目的や用途によって多様性がある。
大まかに分類すると汎用型、多用途型、特化型、局地型の4種類に分けることができる。
★汎用型
人間の代わりに巡回を行う警備ロボット等のロボット1台で様々な作業を行うことができるものを指す。
私達、人間のサポートを行うことを目的に開発されたため、人間に近い又は、親近感のあるデザインが多く、そのため高度な技術も必要とされる。
★局地型
人間の活動が著しく制限される特殊で過酷な環境下での活動を前提として開発されたロボットを指す。
火星などの宇宙で活躍する無人探査や、福島第1原子力発電所の事故の安定化や廃炉の推進の為に活躍するロボットは記憶に新しい。
★多用途型
産業用ロボットに代表される、ロボット自体の行動パターンが決められているが、プログラム変更やロボット用のアタッチメントを交換することで多様な作業が可能となる点で従来型の専用機とは異なった多用途性を持つロボットを指す。
搬送や組手等の使用目的に特化した機能を優先し、一般的に想像するロボットというよりも製造ラインの一部のような外見やデザインである。
★特化型
多用途生徒は逆に単機能に特化した機能を持つロボットを指す。
用途が限定されており、自己判断などのロボットとしての機能は有するが、他の用途への転用は不可。
自動改札機や自動販売機などの最も機械に近いタイプともいえる。
4. ロボットと機械の違い
★自ら動く・判断する
一般的に機械と分類される多くは、常に人間が操作する必要がある。一般的な掃除機はスイッチを入れ常に手に持って操作し、掃除する場所まで移動する必要がある。
それに対し、所謂、「お掃除ロボット」は電源の入切の起動は必要かもしないが、ゴミのある場所へ移動し、吸い取ることを自ら行う。
このように動作を自ら行い、作業するロボットを "自律型ロボット" と呼ぶ。
また、たとえ人間がそうさする場合でも、「人間の行動を判断し、サポートする機能を持ち、状況に合わせた判断を行うことができる能力を有するロボットを「操作型ロボット」と呼ぶ。
スペースシャトルや国際宇宙ステーション等で使われている遠隔操作アームが該当する。
★生産現場での区分
産業用ロボットが稼働する工場等の生産現場ではロボットと機械が混在していることも多い。
また、制御にマイコンが使われている「機械」なども多く、機械とロボットの境界線が曖昧になり区別が非常に困難になりつつあるが、産業用ロボットと機械には明確な違いがある。
機械による大量生産行うを工場では一度、1種類の製品ラインを立ち上げてしまうと機械そのもの入れ替えやラインの改修など大幅な施設の変更が必要となり、短期間でのモデルチェンジなどの小回りが利きにくい。
しかし、産業用ロボットの場合、プログラムの変更と部品の交換のみで作業内容の変更が可能となる。
生産ラインは現状の施設のままで迅速に生産が再開でき、改修費用も少額で済む。
更に、新旧の製品が混在した状態でも現有施設のまま生産を続行できる。
産業用ロボットによるラインは順応性の高い多品種少量生産に対応可能な生産施設である。
5. ロボットのメリット
★人間の3K仕事からの解放
ロボットは人間よりも安定した生産性を示すことができる。
例えば、大きいものや重たいものの運搬や、同じ作業を繰り返しても疲労せずに長時間作業が行うことができ、更に余剰となった人間の労働力を別作業に振り分けることで総体的な時間あたりの生産性が向上する。
また、宇宙空間や深海、原子力発電所など、人間が行うには生命の危機が伴う特殊な場所こそ、ロボットが活躍する最適な環境である。
それは生命・身体的リスク回避だけではなく、人件費や補償などのコストの観点からもメリットの享受が可能となる。
★多機能性
工場などで使われる産業用ロボットはアームの先端部に取り付ける実作業を担うアタッチメント部品の交換により、1台のロボットで様々な作業を行うことができる。
例えば自動車工場で、バンパーの運搬のためにロボットを導入したが、生産の都合で他部品の運搬の必要が生じた場合でも、ロボットならアタッチメントの付け替えだけで対応が可能となる。